「履歴書に名前や生年月日が記されているのは、当たり前」は、外国では通用しない事もあります。

先日、フランスにて、履歴書に名前の記載を禁止する法案が検討されました。
それが、決定したかどうかは未確認ですが、その背景は社会問題が関係しています。
現在、フランスでは若者の失業率の高さが問題になっていますが、中でも移民の若者は失業率が非常に高く、
多くのフランス系(先祖代々の家系)以外の人々が、就職を阻まれていると感じているそうです。

実際、コンサルタント会社の覆面調査では、
フランス系と北アフリカ系の名前で、履歴書を企業に送った結果、
名前の違いだけで、その差に12ポイント開きがあったとの報告が上がって来たようです。
背景には、そういった差別を無くし雇用を促進し貧困をなくす事で、
移民系の反社会活動への関与を減らそうとする狙いがあるようです。
近年、欧州の雇用情勢は激変を迎えており、様々な問題が新たに出てきた為の対処と考えられます。

もっとも、フランスも他の欧米諸国と同じくして実力重視の国でもあります。
実力の有る人にチャンスをとの配慮でもあるのでしょう。

単一民族が大半を占めている日本では、現段階では考え難い事です。
アジア人(韓国、中国、台湾人)の選考、採用がせいぜいといった現状だと思われます。
しかし、超高齢社会となり、移民受け入れをしなくては経済が成り立たなくなるだろう日本において
他国の事とは言いきれない今後です。
その時に島国根性ではなく、公平な目線で能力等を判断する事ができるのか。

近い将来に備え、当社の採用調査(バックグラウンドチェック)も、
語学力は当然の事、外国人の国民性、外国の風習等も学んだ調査員が
対応(調査)できる様な下地を作っていかなくてはならないのかもしれません。