企業信用調査では、まず調査対象の法人登記簿を取り寄せて確認します。
場合によっては、すでに閉鎖している法人登記簿を確認することもあります。
その際に、常識的に考えて余りにも多い本店(本社)移転を繰り返している法人は、詐欺会社の典型であり要注意です。
詐欺と気付いた時には事務所はもぬけの殻、登記簿の住所を変更しているだけで全く営業実態が無い、といったケースです。

また、然程移転が多くなかったとしても、広く賃料も高いテナントビルの部屋から、賃料の安い狭い部屋に移転している場合なども、金銭的に窮しているといった可能性が考えられます。
こういったことはインターネット等で賃料や部屋の広さが公開されている場合もあり、自社で確認することもできます。

先日弊社で行った企業信用調査においても、元々の賃料の4分の1程度の安い部屋に事務所を移した企業がありました。
その企業が新たにテナントとして入ったビルの同フロアの別のテナントに取材をしたところ、その企業はわざわざ部屋の入口にまで防犯カメラを設置し、明らかに訪問者を警戒している様子が見てとれたそうです。
案の定しばらくして、いかつい風貌をした人間がその部屋を訪ねてきましたが、その時にはすでに部屋は空室になっていました。

移転ひとつを取っても、企業の様々な状況を把握できる場合があります。