当社の調査の98%は法人をクライアントとしたもの。
採用調査と企業信用調査、反社会的組織との関与調査等・・・

先日、採用調査をいつもご依頼くださる企業の人事責任者との話の中で、知り合いからの紹介で採用した困った従業員Aが居る、との相談があった。
工場内で転んで手を怪我をしたと労災申請をして休んでいるAについて。転んだ瞬間を他の従業員が見ていた訳ではなかったが、Aの申告に基づき会社側は処理を進めた。しかし、そのAが他のアルバイトをしているらしい、と内部告発があったのだ。どうやら本当らしいが、どうしよう・・・といった内容であった。

翌日からAの尾行調査を行う事に。
昼から夜の飲食店でのアルバイトといった告発者の内容に基づき、出勤前だろう10時頃よりAの自宅前で張り込み開始。10時半頃にAが自宅前から自転車で出かける姿が見られた。自転車をガレージから出す際に、痛めている筈の右手で自転車を引っ張りだしている場面を撮影。尾行を続けると、飲食店が数店舗入っているビル前に自転車を駐輪。ビル1階にあるチェーン展開をしている店舗の厨房入口から入るAの姿を撮影。昼時になり調査員が客を装い入店すると、Aが注文を聞きに来た。水を出すのも痛めている筈の右手、注文した料理を出す時も右手であった。隣のテーブルに座っていた別の調査員がその場面を撮影。最近は、飲食店で料理や店の様子を撮影する人が増えた為、こういった場面の証拠撮りは比較的しやすくなった。

結果、Aの労災支給は取消となり、懲戒解雇。
後日談だが、Aは前職でも同様の詐欺的手法で労災手当を受給していた人物だったと言う。知り合いからの紹介ではあるが、採用前の調査をしていれば、こういった問題は未然に防げたのであった。