日本人の宗教観は世界でも独特だと知られています。
自分の宗教をはっきりと明言できない人が多い我が国において、宗教というと特別のもの、会話の俎上に乗せる事をタブーと感じている人も多いでしょう。
そういった日本人独特の感覚を裏手に取った詐欺が出てきています。

長引くコロナウイルスの流行により、今後の経営(売上、収入)の不安、従業員の生活の不安を持ち始めた企業をカモに、宗教法人のスポンサー(金主)になる事により半永久的に収入(利息)を得られる、といった投資詐欺の一種です。
通常ならば、取締役会に諮るべき問題、企業の利益を前向きに考えた「投資の一つ」「事業の多角化の一つ」なのです。
しかし、今回の依頼主であった企業では、宗教という事で役員の反対にあうのではと懸念した代表者が、単独で宗教法人と契約を締結してしまったのです。

社内の金の流れと代表者の言動に不審を抱いた役員からの調査依頼により、実態が明らかになり、欺されている事が判明しました。
細かな詐欺内容は割愛しますが、既に、かなりの金額を投入してしまっていました。
ですが、早めの役員の気づきによる調査で、会社経営を揺るがすほどの被害には至らずに済みました。

コロナ禍が長引き、反社会的勢力だけではなく、今まで真面目に生きてきた人たちも詐欺とは感じず詐欺行為をしているケースも出てきています。
皆、生きるが為ではありますが、普段と異なる事を行う場合は、立ち止まっての信用調査が必要と思われます。