海外の映画やドラマに、転職時に推薦状の話が出てくることがあります。
これは、退職した人に対して前職の経営者が渡すものです。
応募者は、推薦状を持って求人に応募し、希望給与を掲示、何が出来るかを申告するシステムです。
企業側は、その推薦状に従い、リファレンスチェックを行います。
アメリカに暮らす友人が言うには、推薦状が無いと面接すら出来ない事が多いそうです。
つまり、実績を証明出来る事が必要なのです。
大きな会社の場合は特に重要視されるらしいです。
日本では、このシステムは、まだまだ普及していません。
「確認」と「疑う」を混同している事業者が多い為です。
採用調査は「人を疑う良くない事」といった意識が強いのでしょう。
ただ、日本でも、上場企業を中心に、履歴書を確認するバックグラウンドチェックの依頼が増えてきました。
より正確な職能を知りたい、企業にマッチする人材が知っておきたい、経歴を確認する事は企業の権利、
といった当たり前の事が、日本でもやっと認識されてきた様です。
ハローワークの再就職プログラムの一つに、履歴書の書き方講習会があります。
必ず言われるのが、「履歴書はもう一人の自分」です。
経歴が立派に見える様に添削をしてくれるのですが、
ハローワークの職員は、その経歴が事実かどうかは確認しません。
本人申告経歴の体裁を良くしてくれるだけです。
結果的に、履歴書は「もう一人の自分」ではなくなると言う訳です。
かくして、立派になった履歴書を手に応募へと望む事となり、事実は隠されたまま就職となった事例のなんと多い事か。
「雇ってみたものの、本人申告とかなり食い違う。調べて欲しい」と言う依頼があります。
それは大抵、会社が何らかの損害を被った後の事です。
採用の前にバックグラウンドチェックさえしておけば、損害を避けられる確率がグンと上がります。
採用調査は前向きに考える材料となる「確認」です。
企業がリスクを減らす当然の権利なのです。