小学校の朝礼の時だったと思います。
どう言う経緯で、その様な話になったか覚えていませんが「騙すより、騙される人になれ」と校長が語っていた事を、なぜか思い出しました。
私自身はこの教えは全く理解ができませんし、信用調査会社で働く限り、この教えは役に立ちません。
企業にとって「騙される=大きな損失」を意味するからです。
小遣い程度の金額であれば、後悔だけで済みますが、騙されて保証人等になれば、たまったものではありません。
教えるならば「騙すな、騙されるな」だと私は思います。
それさえ頭にあれば、取引を持ち掛けられた時などは、うまい話には裏がある、と客観的に考えられるようになり、慎重に話を進める事が可能になります。
当社の調査報告書の中には、ある羽振りの良さそうな業者を上客と思い込み、テナントとして入居を許可し、業者の希望で看板まで用意。
ところが、その業者が土壇場で行方不明になった事で、看板設置費は大家側で支払う事になり、看板を撤去するにも費用が掛かりすぎる為、泣き寝入りした、と言う報告もありました。
事を起こす前に与信調査を行っていれば、過去に同じような事がなかったか、が分かったかもしれません。
この様な状況に陥る可能性は、誰の上にも起こりえます。
企業の信用調査は「騙される人ではなく、騙されない人になる為の調査」と言う事を覚えておいてほしい、と一調査員として思います。