新型コロナウイルスの感染が拡大する前にオリンピックが開催される予定であった2020年には訪日外国人を4000万人にする目標が掲げられていましたが、
2020年の訪日外国人数は前年比87%減の411万人余りと大きく落ち込みました。
日本が目指していた観光先進国への道は、振り出しに戻った様に見えます。
しかしここにきて、インバウンドで最も多く日本を訪れていた中国人の観光需要が、中国国内の観光において急回復しています。
それに伴い、新型コロナウイルスが拡大する前と比べ、中国人の富裕層が満足出来るレベルに中国国内のホテルが改善されてきているそうです。
一方、日本でのワクチン接種等の対策はこれからであり、オリンピック開催も未知数である中で、訪日外国人数が回復する目途は全く立っていませんが、
中国人の海外旅行先としての日本の人気は衰えていない様です。
新型コロナウイルスの流行が終息し、日本が再び観光先進国への道に戻れば、インバウンドが急回復する可能性は高いと思われます。
ただ、既述の様に中国国内のホテルはレベルアップしており、ハード面において従来の日本の宿泊施設と同じレベルであれば、中国人の富裕層はもう満足しないと思われます。
今後は、他国には無い日本の文化等のソフト面が、訪日外国人に益々重要視されていくのではないでしょうか。
このことは観光産業だけではなく、新型コロナウイルスの終息後の価値観の変化としてあらゆる産業に現れてくるはずです。
急回復を見込んでコロナで落ち込んだ事業等に安易に手を出しても、従来のやり方では見向きもされない可能性があります。
コロナ後の新規取引や事業展開において、そういった価値観の変化を踏まえた企業信用調査を行う事が必須と言えます。