企業信用調査を行う際にまず確認する商業登記簿には、商号、本店所在地、設立年月日に続いて、企業の目的が明記されています。
目的が2~3個の法人もあれば、50個を超えている法人もあります。
通常は、不動産なら不動産、建築なら建築と、目的にはある程度の統一感がありますが、中には不動産、食料品、介護、情報通信、人材派遣等といった統一感の無い目的が列記されている場合もあります。
多角経営を行っている可能性は考えられますが、資本金の小さい中小企業で脈絡の無い目的の多さは不自然であり、注意を要する企業と判断出来ます。
企業の目的は「営利」であると辞書には書かれていますが、経営学者のピーター・ドラッカーは「営利」は企業を継続させる為の条件であり、企業の目的は顧客の創造であると言っています。
それは、商業登記簿に明記されている目的を通して、顧客の役に立つ事によって得られる「営利」があって企業が継続出来るという意味だと思います。
商業登記簿に明記される脈絡の無い多くの目的は、顧客の役に立つというよりも「営利」に主眼を置いている事が表現されている様にも思われるのです。