私の古くからの知人に、職でつまずくとすぐに「ヤクザになろうかな」とつぶやく者がいます。
普段は、調子の良い話をする為、それを聞いた周囲の人間は「そんな事をいうな、君は大丈夫」といたわりの声を掛けます。
冷たいように聞こえるかもしれませんが、私は何千回となくその言葉を聞いているので、感情は全く揺さぶられません。
かまって欲しいだけと知っているからです。
また、彼の言葉の端々に「俺には、そういう伝がある。お前たちとは違うのだ」と言う見栄に腹が立つのです。
何より彼の場合、そんな伝は持っていませんし、求められる度量も無い事も知っています。
「自分の事をそういう風に宣伝するのは楽しい?」と言いたくなります。
ご存知のように、反社会組織は身元を隠す為「フロント企業」と呼ばれる一般企業に見える様にカモフラージュをしている事が多いです。
みかじめ料の徴収や総会屋としての、表立った資金調達が困難になった今、一般企業を装う事で資金を得ようとしている訳ですね。
冒頭の彼の様にあちこちに言いふらす事は、暴力団員には致命的な事で、自身から繋がりを宣伝する事は殆どありません。
特に幹部クラスならなおさらです。
ただ、自分の事を「その筋の関係者」と言いまわる人達全てが、冒頭の様な「かまってちゃん」とは言いきれません。
表面からは分かり辛い事が多い世界なので、噂が気になるなら、調べるべきです。
調査結果により、噂か否かが分かるだけで今後の対応策が練れるのですから、無視する手はありません。