商業登記簿を確認した際に、業容が支離滅裂で本店移転を頻繁に繰り返している様な法人には、誰でも怪しさを感じるのではないでしょうか。
そういった法人は当然調査を行うべき対象になりますが、業歴が古く一所で頑張っている様な法人に見えたとしても油断大敵です。
以前、担当をした調査で次の様な事例がありました。
調査対象は土木工事及び建築工事を業容とする企業とその代表者でした。
商業登記簿上の設立年は昭和50年代と一定の業歴が認められ、継続的な地元の公共工事の入札への参加記録も確認されました。
近隣の同業者や住人からも悪評は聞かれませんでした。
しかし、調査を進めていく中で、約10年前に廃業寸前であった当法人を代表者が買収していた事が判明。
その代表者は当法人を買収する前、別の場所で個人事業主として土木工事等を請け負っていた人物であった事が分かりました。
さらに調査を進めた結果、その別の場所と同所で営業していた他の事業者には、暴力団関係者と共に恐喝容疑で逮捕された過去がある事が判明。
調査対象である代表者と逮捕者との関係性についても認められました。
企業信用調査を行う事によって、表面的には見えていない反社会勢力との関与などのリスクを回避できる確率は格段に高まります。