今のような就職難の時代を迎える前、ほんの1年と少し前の事ですが、内定辞退セットという商品が学生の間で噂になり、コミュニケーションを苦手とする若者に売れたと言うニュースがありました(退職願セットと言う商品もあるそうです)。
商品の内容は、内定先に失礼にならない様に辞退を告げる例文や、その解説がセットになっているようです。

採用調査(バックグラウンドチェック)の調査員として人事担当の方に、このセットに関する感想を伺った事があります。
「いわゆるバックレ等の方法で辞退をする者が増えている事を考えれば、辞退セットそのものは悪いとは思わない。ただ、このような商品を使わなくては自身の意志を伝えられない様では、雇ったとしても客先や周囲との折衝は難しいだろう」と語っていました。
また、別の採用担当者の方からは「特に否定はしませんでしたが、このようなアイテムで形式だけの礼儀を示すより、辞退を考えたなら何より早く伝えて欲しい。欠員が早期に分かれば、次点の繰り上げも、別の候補者探しにも余裕が持て、無駄な費用や時間の節約にもなる」とのお話しをいただきました。

2、3年前は退職代行業なる職種が話題になりました。
内定辞退セットと同様に、使うこと自体は悪い事ではないとの評を得ています。
確かに使う側からすれば、それらは便利なサービスの1つです。
一方、当社のバックグラウンドチェックの中で「大事な事を人任せにしている感がある」としてそれらを利用した事のある人の評価はあまり高くなかった事が多いように思います。
利用する方々には、サービスの頼り過ぎや間違った商品の使い方をしていると、自身でピンチを切り抜ける力が付かなくなる可能性が高い事を意識してほしいですね。