店舗開発などの際に行う不動産所有者の調査は、土地を多く所有する古くからの地主が調査対象となるケースがよくあります。
その場合、家も敷地も広い土着の住人が暮らす田舎が調査対象地域となることが多く、こんなにのんびりとした田舎で暮らす人と反社会的勢力が関与しているわけがない、と調査員でもつい錯覚しがちになりますが決してそんなことはありません。
当社の調査においても、以下のような事例がありました。
調査対象者の家は田畑の多く残る田舎にあり、近隣住人からも古くからのきちっとされた家との評判でした。
調査対象者は、以前株式会社の代表取締役を務めていたことがあり、居住地から車で1時間ほど走った場所にある繁華街のビルを法人名義で所有し、同所に本店も置いていました。
繁華街周辺で聞き込み調査を行ったところ、長年営む付近の商店から同ビルで二十数年前に発砲事件があったとの話が得られました。
そして同事件を詳しく調べた結果、発砲されたのは調査対象者の弟であり、元々は父親名義であったビルの所有権をめぐる暴力団とのいざこざが事件の原因であったことが分かりました。
弟は一族の中でもはみだし者で、調査対象者とは長年絶縁状態だった様ですが、居住地近隣住人の印象とは異なる親族の重大な懸念が調査により判明したのです。
先入観はあてになりません。