社長の趣味は読書と食べる事。
食べる事については、よく「最近弱ってきたから以前ほど食べられへん・・・」と寂しそうにぼやいているが、客観的に見れば十分に食べている。昔は一般人の3倍位は食べていたそうなので、人並みとなったのが寂しいのだろう。

読書は、色んなジャンルを読んでいるらしく、時々「これ面白かったよ」「これ為になりそうやから読む?」と私たちにも貸してくれる。ただ、仕事外の自由時間に読書を押しつけるのは良くないという考えからか、感想を聞いてくる事は滅多にない。ゆえに、読んでも読まなくてもバレる事はあまりない。
月刊誌も何種か読んでいる様だが、その中でのお気に入りが「致知」。表紙には「人間学を学ぶ月刊誌」とあり、これが「読まなくては」といった気持ちにさせるらしい。
調査という仕事は、適当に手抜きをしようとすればいくらでも手抜きができる業種である。結果をねつ造する事だって不可能ではない。そういった調査会社の業種柄か、よく「大義名分」「正義」「誠実」といった事を口にしている。そういった考えも、世間の空気に晒されているうちに希薄になりがちだから、定期的に「人間学」の本を読み続ける事が大切といった事らしい。
そう言えば、デスクの後ろの本棚には「森信三」「松下幸之助」「安岡正篤」「中村天風」といった本が並んでいる。まあ、これを社員に「読め」と言わないあたりが、社長の優しさなのか社員を見くびっているのか・・・
というか、本当に社長も読んだのだろうか・・・